オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史

 今週から、NHKのBSプレミアムで、映画監督のオリバー・ストーンが作ったドキュメンタリーが連夜放送されています。
 ここのところ少しばたばたしていたので録画しており、今夜今まで放送された3話分をまとめて観ました。

 第二次世界大戦以降のアメリカの歴史を「表」で語られない部分から検証する、というシリーズで、もうものすごくて言葉を失ってしまいます。
 すごい情報量で、聞こえた話に引っかかって夫にしゃべりかけるともう話が進んでしまうので次のことが分からなくなり、追っかけるのが大変です。
 でも「ええ!」と驚くようなことばかりが出てくるので、どうしても引っかかってしまいます。
 高卒の脳には「ご無体な」という番組。

 とにかく知らないことだらけだった、という感じです。
 3話分観た限りだと、第二次世界大戦で旧ソ連軍が果たした役割は絶大であり、それをアメリカも世界も過小評価している、と少なくともオリバー・ストーン監督は考えているということが分かります。
 でも確かに、ドイツ軍を追いつめたのはソ連だし(ポーランドよ!)、満州でもソ連軍が入って日本が降伏したというのはあるのですよね。。
 「表」で語られる「原爆投下が戦争終結を早めた」という話は原爆を落とす決定を下した当時のトルーマン大統領の「言い訳」で、そうではないと考える当時の軍人の話も出てきます(マッカーサーも「原爆投下は必要なかった」と語っていたとされていた)。
 第二次世界大戦開始当時のルーズベルト大統領の後継と見られていたウォレス副大統領が謀によって政治的に失速していき、担ぎだされたトルーマンが大統領になり、彼によって原爆が投下され、戦後の東西冷戦が始まった、という感じで描かれています。
 そのウォレスさんという人が驚くべきことに、後のニューエイジ・フラワーチルドレンの走りみたいな理想に燃える平和主義者で、それが力を奪われていく経緯が恐ろしいです。。

 「政治」というものがどうやって動いていくのか分かるような気がしました。
 すごい番組です。

 今、北朝鮮関係のニュースもすごいのでつい重ねて考えてしまいます。
 

 わたしは映画が好きですが、初めて「映画の本当の力」に、自分の意志で触れたのは、中学3年生のときに観た「プラトーン」だったと思います。
 オリバー・ストーン監督の作品です。アカデミーで賞を取っています。
 監督自身も従軍、負傷したベトナム戦争の惨い現実を描いた名作です。
 
 それまでは、アイドル映画を観たり、誰かに誘われた娯楽映画についていったりするくらいでしたが、「プラトーン」が公開されたときに、なぜかこれは観なくてはいけない、と思ったのでした(アイドル目当てで映画雑誌は読んでいたと思います。あの頃はリバー・フェニックスとか。この人もその後大変なことになってしまった。。)。
 映画が終わった後、席を立てない感じになった初めての映画です。呆然としたのです。

 

 この映画で生まれて初めて「もう一度同じ映画を観に劇場へ行く」ということもしたし、サウンドトラックのレコードを借りたし(あのアダージョ!)、その後、「ハンバーガーヒル」「エルサルバドル」などの映画も続けて観ました。でも「プラトーン」が一番だな、と思っていました。なにが一番かは分からないけれど、たぶん真剣さのようなものを受け取っていたのかな。。
 まだ高校にも入らない女の子(もしくは1年生にはなっていたのか)が、よく観たなと思うのですが。。なにか観なくてはいけない、と思わせるものがあって、一人で映画館に行ったのです。

 その後もストーン監督の作品はそれなりに観ていると思います。忘れていたけど調べると、観てないもののほうが少ないようです。
 どれも硬派ですごいですよね。どうしてもベトナム戦争を起こした元凶(政治)について考える人なのだな、という印象です。
 その監督が、今回は映画ではなくて、直接アメリカの歴史を語る、ということでこのドキュメンタリーを撮ったそうで、こんなことを描いて大丈夫か? という感じです(汗)。
 
 やはり、一人の人が自分の経験と命をかけて作る作品のすごさに、わたしは弱いです。
 それは必ずしも戦争映画である必要はないのですが、やはりそこに描かれるものの凄まじさは、人間の愚かさや恐ろしさが出ていて、そういうものは、わたしは観ておきたいと思うのです。それも人間が抱える現実だからです。
 そういうものを観たときに、では自分はどうしていけばいいのか、という問いを自分に発することができるのです。
 そういう原型を作ってくれたのが、この監督の「プラトーン」だったのかもしれません。
 
 4月は4話放送で、その後はよく分かりませんが、明日もしっかりと見届けようと思いました。
 番組の書籍も販売されるようです。
 
オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下
(2013/04/04)
オリバー・ストーン、ピーター・カズニック 他

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テーマ : ドキュメンタリー - ジャンル : テレビ・ラジオ

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