宮崎駿監督 風立ちぬ

 昨日は新宿の映画館に宮崎駿監督の「風立ちぬ」を観にいきました。
 水曜のレディースデーで安いので女性が多く、大学生はまだ夏休みだし、やはり混んでいました。
 宮崎監督の引退のニュースもありましたしなおさらですね。開場を待つ間、そのことを話している若いグループがいました。
 
 わたしは宮崎監督のファンではないし、ジブリファンでもないのですが、「もののけ姫」以降の宮崎駿の監督作品は全部観ています。初期のものは「ナウシカ」と「トトロ」は観ています。
 まあ、なので全然語れるほど知らないし、とっても好きってことではないのですが、やはりなんかこう宮崎監督の新作となると、「観なくてはいけないのかな」という気分にはなりますね。(「ポニョ」は気に入って、DVDを買っています)
 そういうところまで行く人ってなかなかいないです。
 
 今回、今までのようなファンタジーではないということでいろいろと気になったし、最後の作品と公にされたので、観てきました。

 うーん、ジブリ大好き人間ではない人間からすると、素晴らしいとしか言えないなあ。。。

 「最後の作品」ということを知ってから観たからかもしれませんが、画面から気迫のようなものを感じました。
 本当にきれいですね。
 空の描き方! 雲! CGじゃないなんてすごいですね。
 賛否両論が起こっている主人公の庵野秀明さんの声ですが、わたしはよかったと思います。
 飛行機の設計に取り憑かれているような人間(つまりオタクですよね)が、流暢に浪々と抑揚をつけてしゃべるというのもおかしいし。
 ああいう人実際にいるよな、という感じで、妙に生々しく感じられました。そこがイヤだという人もいるのでしょう。
 ラブシーンもありましたが、ああ、監督、最後にこういうの描くんだ、と思って、それも受け止めよう、と思って観ていました。

 そういう「もうこれはとにかく受け止めよう」と思える作品でした。
 最後というのが分かっているからかな?
 でも、わたしは「ポニョ」でも、観ているとき、そんな感じになりました。
 そういう作品が好きなのです、わたしは。
 作っている人が世界に対して、自分の思いを込めているのが分かり(自分のために思いを込めているのではない)、わたしはそれを受け止めよう、と思える。
 そこには見えないエネルギーの循環があり、それが作家と観客という関係ではないのだろうか。
 そういうことを起こしてくれる貴重な作家の一人なんだなと思います。
 最後か。。。

 印象的だったのは、ときどき、会場が水を打ったかのように静かになるんですよ。
 やはり引退のニュースが効いているのかな。
 本編が始まる前、ジブリの高畑監督の新作の「かぐや姫の物語」の予告編が流れたときから、それまでざわついていた会場がしんと静まって。まあ、それもなんだか異様なテンションの予告編だったのですが。。
 それで客席がぐんと集中したところで本編が始まりました。
 そして作品中、何度かしんとするシーンがありました(主人公が壊れた飛行機の前に立ち尽くすシーンが一番静かだったかな。。)。
 観にきている人は、みな「宮崎駿が伝えたいことを聞こう」としているのだなと思いました。
 これはすごいことではないでしょうか。
 それにも感動してしまっていて、泣きそうになっていました(笑)。

 結局監督のメッセージとは笑ってしまうくらいに明確で「生きていけ」です。
 映画のファーストシーンから、ちょっとグロテスクな飛行機とその付随物が出てきます。
 わたしはそれを観て笑ってしまったのですが、「しょうがねーなーパヤオはオタクで」と思ったのですね。
 宮崎監督はのっけからそんなものを出し、「俺なんてこんなオタクで変態だけど生きてきてよかったぞ! だからお前もとにかく生きろ!」と言っているのだな、と思いました。
 主人公が恋をする女の子も、今までになく色っぽくてかわいくてね。布団をめくるシーンなんて、女の子の肌の匂いがしてきそうだった! ジブリのあの絵でそれを感じさせるなんてやはり「パヤオ」は普通の気のいいおじさんでは全然ないし、普通に考えたら生きにくい種類の人間だと思うのです。
 
 (蛇足ですが、「もののけ姫」でも「生きろ」がメッセージでしたが、あれは最後サンが人間嫌いを宣言してしまうので、やはりこの「風立ちぬ」のほうが、より「成熟」しているのかな、と思いました。というより、人間嫌いを宣言した映画を「最後の作品」にしてしまうのは、宮崎監督にとってもマズかったのだろうなとも今思いました)
 
 最近たくさん映画を観ていますが、ここまでハッキリこんなに単純で強烈なメッセージを描いた映画はあまりないかなと思いました。よくやったな、と思います。ともすればベタで陳腐だと取られかねませんが、わたしはそのように思いませんでした。

 宮崎監督に対しては、「はい」と答えるしかないです。

 わたしはそう言えるような作品が好きです。
 
 ユーミンの主題歌もよいですね。頭の中をぐるぐるします。



 *おまけ*
 おとといの空↓
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