伝統文化公演 津軽三味線と風のおわら 羽村市生涯学習センターゆとろぎホール

 昨日は母と夫と羽村市にあるホールで行われた富山県の越中おわら節と津軽三味線の公演会に行ってきました。
 これは母が一緒に行く予定の友人夫妻が体調が悪いとのことでキャンセルされたので、わたしたちを誘ってきたものでありました。
 チケット料金1000円とお安いもので、東京都下羽村市が伝統文化を市民に学んでもらいたいということでされている市主催の事業の一つであるようです。

 開演前には市長の挨拶までありましたが、羽村市はゴミの焼却を隣の日の出町にお願いしているということもあり、日の出町の住人が客席に招待されていたようで、なかなか「市政」というものも垣間見える公演でした。

 羽村市というと都下でも西部となるわけですが、最近は地域も開発されているようですし、付近に米軍横田基地もあるので、近隣の福生市とも併せ、なんとなく独特の雰囲気があるように思います。70年代などは「米軍ハウス」などに集う芸術家の卵たちがコミューンを作っていたりということもあった地域です(村上龍のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」の舞台になった地域ですし、先日お亡くなりになったミュージシャンの大瀧詠一さんは付近の日の出町にいらしたそうですが、このあたりのミュージシャン文化と関係があるのだろうかと思ってしまいます)。羽村駅付近には妙にオシャレなカフェバーがありました。
 子供の頃に羽村市の動物園に遠足に行った記憶がありますし、近くでピアノの発表会もしたことがある、少しゆかりのある地域です。
 先週のあきる野市の温泉と、2週連続で東京都下西部まで足を伸ばしています。珍しい。

 ***

 昨日のプログラムは、前半の第一部が津軽三味線演奏家の高橋竹童さんの独演、後半の第二部が富山県民謡越中八尾おわら保存会によるおわら節と踊りの公演でした。
 (今回、曲名などは割愛させていただきます)

 前半独演の高橋竹童さんは1970年生まれで新潟県出身、津軽三味線の大家の初代高橋竹山さんの最後のお弟子さんだったそうで、確かな腕前、という感じでした。
 お話も巧みで、歌舞伎の中村勘太郎さんらと共演の経験もあるそうで、舞台慣れしているという感じでした。

 津軽三味線をきちんと聴いたのは初めてでしたが、なかなか迫力もありすごいなあと思いました。
 バチがあたる音がいいですね。
 竹童さんは三味線演奏の技術的なこともお話してくださいまして、それもとてもおもしろかったです。
 津軽三味線は曲ごとに3本ある弦の調弦を変えるんですね。
 基本が「レ・ラ・レ」のチューニングで、それが「レ・ソ・レ」になったりするようで、そこで曲調に幅を持たせているようです。
 曲を聴いているとやはり日本の雪国の景色が脳裏に浮かびます。
 椿の上に積もった雪ですとか、湯煙の温泉街の宿とか、そういうベタなものが。。。(笑)
 尺八の演奏もあり、それは青森の海沿いの崖の上に吹く風のようでした。

 お話でもうひとつ印象的だったのは、師匠の高橋竹山さんが昔、三味線一本で田舎の家々を周り、日銭を稼いでいたというものでした。お目が悪かったそうで、昔はそういう人は三味線という芸を身につけ、雨の日も雪の日も休まず旅回りをするしかなかったそうです。泊まるところがない日は、神社やお寺の床下で夜を明かしたこともあったそうです(蛇足ですが、母は竹山さんの生演奏も聴いたことがあるそうです)。
 そういう話を聞いてから聴く三味線の音はまた格別でした。
 そういう日本の伝統芸能というものの一つの側面のお話は、ずっと伝えていただきたいなと思いました。
 以下に貼るのは竹童さんの即興曲の演奏。2010年の演奏のようです。
 昨日も即興曲が一番よかったです。けっこうロックしてます(インヴェイ・マルムスティーンも真っ青や!)


 ***

 後半の「おわら節」は、初めて触れたものでした。
 男性の歌い手に加え、三味線と中国の胡弓、太鼓という伴奏に合わせて男性と女性が踊りますが、ずいぶんゆったりした音楽と踊りで、全然想像していたものと違いました。

 起源は300年くらい前だそうで、民間から出てきたものだそうですが、明治時代になって音楽家の発案から胡弓が加わりその独特の音楽になったそうです。
 それは確かに、珍しい効果になっているなと思うのですが。。。

 わたしは子供の頃から「お祭り」というものがイマイチ苦手で、うーん、、、まあ、夏の夜、富山の街中でこれを見聞きすればそれはすごいのだと思いますが、ホールで鑑賞するもんじゃないかなあ。。。(汗)
 胡弓の音ってのはいいとは思うんですが、、うーん、、やはりちょっと違和感があるというか、目を閉じて聴くと中国っぽい景色が浮かぶ気がするし。。。
 300年の伝統って、古くはないですよね。
 町おこしになっているのだからいいんだと思いますが(富山は毎年ものすごく盛り上がるそうです)、ちょっとその成立の背景のようなものがハッキリしないし、、ぼやけているように思えてしまって。
 「祭り」ってなあ。。。よく分からないんです、子供の頃から。
 そうまでして騒がなくたって、毎日なにかしら楽しいものはある、という現代社会の東京に生きているものとしては、その必要性がよく分からないんです。情緒がないだろうか。
 まあ、地域のコミュニティの連携になるのか。。
 儀式として、宗教的な背景などがハッキリしているもののほうがピンと来る、というのが個人的にあります。
 たとえば初詣とか。でもそれは「お祭り」ではないんですよね。。

 少し話が変わりますが、バリ島でケチャダンスを見たこともありますが、あれもよう分からんかった。。(ガムランはやはり素晴らしいと思いましたが)
 あれって、20世紀に入ってからドイツ人アーティストが開発したものなんですよね。。
 実際に見てみて、すごく感動したということはなかったんです。
 その先入観があるからなのか、近代以降にアーティストが地域のために作ったというものだと(おわらでは胡弓がそういう感じで定着しているし、発展したのはやはりケチャと同じく1920年代らしい)、エンターテインメントとしてはおもしろいのかもしれないけれど、背景がさらにぼやけるという感じがしてしまう。
 「祭り」があと500年続けば、もっと「伝統」という感じがしてくるのかな。

 ということで、おわらに関しては、そこまで心に迫ってくるという感じではなかったです。
 でもどういうものか知らなかったので見られてよかったです。

 羽村のゆとろぎホール↓ 
  140119yutorogi.jpg
 ガラス張りで丸く中庭を囲むデザイン。羽村にもこういうきれいなホールができていたんだなあと思いました。
 

 

 

 
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コメント

羽村

美紀さんこんばんは。
羽村ゆとろぎホール、行ったことあります!綺麗ですよね。ちょうど5年前の今くらいの時期だったと思いますが、以前歌ってファンになった指揮者先生の第九を聞きに行きました。

津軽三味線ですか。渋いですね。弦のことまでご覧になって、しっかりお聞きになっていたのですね。
私は合唱で、琴と尺八が伴奏の「日蓮」というのを歌ったことがありますが、なかなか楽しかったです。
琴は正座ではなく、椅子に座って弾いていました。三味線は正座なのでしょうか?

今日も寒いですね。お互い体調に気をつけましょうね。

Re: 羽村

あきさんこんばんは、コメントありがとうございます!

えーーーー!!! ゆとろぎホール行ったことあるんですかっ???
おおお、それは遠かったでしょう、ご苦労様です!
あきさんはとても音楽に熱心な方だなあ。。。頭が下がります。
あのホールはホール以外にもいろいろあって、地域の人は集いやすいだろうなと思いました。

三味線の弦の話は竹童さんが自ら説明してくださったのです。でも開放音を聴いて「レ・ラ・レだな」とか思ったのはわたしの耳ですよ♪ えっへん!
三味線渋いですが、迫力ありました。静かにたぎる血潮!って感じです。
演奏は椅子に座って弾いていらっしゃいました。ビシッとしたとてもよい姿勢で見習わなくてはです。。

毎日寒いですね。風邪気をつけましょう!

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