米林宏昌監督 「思い出のマーニー」

 昨日は、新宿にスタジオジブリ/米林宏昌監督の「思い出のマーニー」を観にいきました。
 今週夫はいろいろなことが重なり仕事を休めず、レディースデーで一人で観にいきました。



 これが、、、思いのほかよくて、、、どう感想を書いていいのか困っています。
 かなり心を揺さぶられています。
 
 ***

 わたしは映画好きではありますが、とくにアニメファンというわけではありません。
 ジブリ作品も初期のものはテレビで観ているくらいで、劇場で観はじめたのが「もののけ姫」あたりからです。 
 一番好きなのは「崖の上のポニョ」で、これはDVDを買った。
 その「ポニョ」の中の一番好きなシーンの作画を担当したのが(ポニョが魔法を使って人間になって海から上がって海の上を走ってソースケに会いに行くシーン)、この「思い出のマーニー」を監督した米林さんだったのですね。
 それを、先日NHKで放送されたジブリのドキュメンタリーで知り、ジブリが映画製作部門をいったん解散させるなどのニュースもあって、今の体制で作る最後の長編映画だということで観にいくことにしたんです。

 ***
 
 去年後半、「風立ちぬ」を観て、ただならぬものを感じたので、「かぐや姫」も観て、砂田麻美監督のドキュメンタリー映画「愛と狂気の王国」まで観てしまいました。
 これは、、わたしは特にアニメが好きではない人間ですから、いうなれば、一人の世界的な作家、一つの世界的な作家集団がどう落とし前をつけていくのか、という大事な局面が今来ていて、自分はその目撃者になりたいのだ、という欲求から来たものでした。

 宮崎駿という人はすごい人と思いますが、宮崎駿が作るものに心底共感したことはありませんでした。
 「冒険活劇」自体にそんなに興味がないからです。
 でも、文明批判などシビアな視点もあり、学ぶこともあるだろうと思いながら観ていました。
 絵や背景がきれいなので、それもいつも楽しみでした。
 
 ジブリ作品では、宮崎監督、高畑監督以外の作品は観たことはありませんでした。 
 もちろん、この米林監督のものもです。

 「どうせ、宮崎・高畑というアニメ界の大巨人に太刀打ちできるはずがないのだろうから観たってしょうがない」と、そんな気分でもありました。
 そういう人は、多いのだろうと思います。
 
 でも、ジブリも存続の方向性がよく分からなくなったということで岐路にいるようだし、レディースデーなら1100円だし、観にいったって損はないだろう、と観にいったのです。

 結果、、、どう書いていいのか分からないくらいに、揺さぶられるということになりました。

 ***

 内容ではないのです。

 内容も悪くないです。「輪の外側」にいる女の子の話でした。
 孤独で心を閉ざす女の子が「架空の友達」に救われる、そんなテーマです。
 一応「チャネラー」であるわたしなので、そこに感じるものもあります(以前「サードマン現象」の本を読みました。九死に一生の事故や災害に遭って助かる人に、助かるまでの間、見えない「友人」ができて、励まされる現象がみられる、というものです。人は孤独になると、脳が友達を作る、そういうことはあるようです。チャネリング現象とまったく同じではありませんが、関係があるのではないかと思います。その本の感想は こちら )。
 今までのジブリ作品とはずいぶん毛色が違う、ということがあるようです。
 女の子の心象風景のお話ですから、宮崎監督も映像化は無理だろうとされていたそうです。
 それに果敢に臨んでいった米林監督なのですね。
 
 そこに、感動をしたのです。
 ちゃんと、「作品」になっていた。 
 よくやった。
 ただただ、もうそう思う。

 ***
 
 米林監督は、1973年の石川県生まれで、同世代、夫と同郷ということになります。
 本当に、、、、、よくここまでやってくれた、と。。。
 涙が出ます。
 泣いちゃうんですよ。
 嬉しくて。

 あの巨人の元でよく耐えて、、、よく吸収しよく育ち、、、よく創りましたね、と。
 よくここまでのものを創りましたね、周囲のスタッフを、納得させて、よく、あれだけのものを、描かせましたね、と。
 意地を、本当の意地を、見せてくれましたね、と。

 本当にきれいだった。
 海の景色、空の色、雲の形。揺れる草花。
 ジブリのそういう技術は日本の宝ですよ。 
 今回心底そう思いました。
 つまり、宮崎を離れても、あれができる人たちなんですよ。
 それが解散とか。。。。

 巨人の元にいて、その庇護の元にいるほうが、楽なんです。
 でも時間の経過とともに、巨人も衰えるし、時代も変わる。世間の経済規模も変わる(これはでかい)。
 そのとき、どうやって自分の足で立ち上がるか。
 
 そういうことをつきつけられている同世代が、少しずつ結果を出してきている。
 巨人たちの世代ほどには大きな成果ではないかもしれないし、そもそもわたしたちの内面に、上の世代が持っているほどの「ダイナミズム」はないようにも思える。
 それでも、、ときは経過し、時代が変わっていくんです、否応無しに。
 そのときに、自分たちができるベストはなんなのか、それを考えていく。
 それしかできない。
 それを積み重ねていくしかない。
 
 それに挑戦し、美しい映画を創れた米林さんに、心からの拍手と感謝を贈りたいと思います。
 これから大変かもしれないけれど、、、それは、皆が同じなんだという気がする。

 映画の最後、、主題歌もすごく自分たちの世代の空気を感じさせてくれるものだったけれど、歌が終わって、フィルムが黒くなって終わって、映写が終わっても、誰も、すぐには立ち上がらなかったんですよ。
 若い女の子がたくさん来ていて、誰も、すぐには立ち上がらなかったんですよ。暗い中静まり返って。
 あの劇場内に、米林監督、鈴木プロデューサー、宮崎監督がいたらよかったのに。
 
 映画の主題歌、プリシラ・アーンの「Fine On The Outside」


 プリシラ・アーンは韓国系アメリカ人のシンガーソングライターだそうです。1984年生まれ。すてきな才能ですね。YouTubeにたくさん歌が上がっているので聴いてみようと思っています。







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コメント

映画

美紀さんこんにちは。
感動する映画に出会えて良かったですね。
終わってもすぐには立てないほどの、余韻があったのですね。

私はアンパンマンが見たいのですけど、大人だけで行く勇気がなく…。

ジブリは、「魔女の宅急便」をテレビで何度か見ました。黒猫が可愛くて面白いです。


私は今日から休みなのですが、夫は普通に仕事です。
明日はお盆で親戚が集まるのですが、夫が帰ってきてから、夜に行きます。


今日はこちらは、雨が降ったり止んだりで、少し蒸し暑いです。

お互い体調に気をつけましょうね。

Re: 映画

あきさんこんばんは、コメントありがとうございます。

いやあ、、なかなかよくって、「思い出のマーニー」。
いまだに余韻に浸っているかもしれません。そこまでのものってなかなかないです。
若い子たちもすぐに立たなくて、、、よきかなよきかな、と思いました♪

アンパンマン、、、確かに、大人一人で観るのはちと気が引けますね。。(汗)
夏休みが終われば大丈夫かも。水曜日ならきっと一人の女性客もいますよ。昨日もいましたよ。
やなせ先生も生涯現役の大巨人ですよね、、、まったくすごいものです。

あきさんはお盆休みですね。うちも夫はいつもの年以上に今年はハードみたいです。。
近ければ帰省も日帰りでできるだろうけれど、うちは遠くてなかなかなあ。。

8月もお盆の頃から、夜になると秋の虫が鳴きはじめたりして、空気が淋しい感じになりますね。
わたしはそういうのも切なくて好きです。
暑さも少し和らいできたかな。こちらも今夜は蒸しています。

体調気をつけましょうね!

アートの力

北さん

こんにちは。
素敵な映画の感想ありがとうございます。

実は私もアニメにはほとんど興味がないのですが、何年か前からジブリの作品だけは観るようになりました。
しかも何度も繰り返して観るんです。これは飽き性の私にはめずらいいことなんです。

で、私自身、これが「なぜか」わからないのですよ。
何か惹かれる、なぜか観たあと元気になる、、、

あらゆる創作活動のもつ力ってそうゆうところなのかななんて思います。
映画、音楽、絵画、文学etc...数え上げたらきりがないですが。

そして私の場合、時としてとても感動する作品はけっして有名な芸術家の作品とは限らないです。例えば、エうブルアートといって、障害者などの方々が創り出す作品にとても惹かれたりします。これもやっぱり言葉では表現できないです。

結局、アートの一番の価値って、その作家さんのメッセージなのかも知れませんね。純粋な気持ちで、何かを伝えたいというエネルギー。

それが私たちの心に響くのでしょうか。

何だか話が飛躍してしまってごめんなさい。。

よかったら、一度覗いてみてくださいね。
エイブル・アート・ジャパン
http://www.ableart.org/

Re: アートの力

noriさんこんにちは、コメントありがとうございます。

去年からジブリはなんだか大きく動いておられ、結局目が離せなくなり映画館まで行くということが続いています。
宮崎さんの下の世代でも力をつけてきている人がいると分かり、とても嬉しかったです。
息子さんのテレビアニメも始まるようなので、見てみようと思っています。

やはり人が心を込めて創ったものに触れると元気になるのでしょうか。
作品に力があるというのは、観た人が生きる力をもらうということかなとも思います。

数年前まで、美術家の方々と交流させていただいていました(自分は当時小説を書きたかったので、勉強のためにグループに出入りさせていただいていました)。
その中に障碍者アートの研究をされてきた方もいて、お話を聞いていましたが、美術を専門的・構造的に学んできた方の作品と、障害のある方がアートを通して表現されるものとはまた別のものなのだ、というお話を興味深く聞きました。
自分は美術の専門家ではないので、どちらにも感動することがあると思います。

以前、夫の故郷の金沢の21世紀美術館で宮城まり子さんとねむの木学園の展覧会を観ました。
とても色鮮やかで心温まる世界でした。
時間帯がよくて、まり子さんとねむの木の生徒さんたちの合唱のミニライブも観られました。
感動して泣いてしまいました。
ただ、、「障害がある人がここまでできるのだ」ということに感動していたかもしれず、、そうなると、それは逆の意味での差別であったりするのかな、と思わないこともないのです。少し難しいテーマだなと感じています。

エイブルアートのページ見てみました。
こういうNPOがあるのですね。こういう活動をされる方々の熱意にも頭が下がる思いがします。

今日はこちらは晴れて暑いですが風があるのでしのげています。
体調気をつけましょうね!

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