山岸凉子 青青の時代

 昨日、久しぶりに漫画家・山岸凉子の「青青(あお)の時代」を読み返しました。
 こちらは1999年頃に連載されていた歴史漫画で、舞台は古代の邪馬台国で、卑弥呼のモデルになる人物も出てくるものです。
 
 最近仏教の勉強をしていますが、仏教が入る前の日本についてはあまりはっきりした記録は残っていないのですかね。中国に伝わる「魏志倭人伝」に多少伝わるものがあるのですよね。そういうところ、やはり中国はすごいなと思ってしまいますが。邪馬台国の頃はまだ日本では文字があまり発達していなかったのかな。。。

 邪馬台国がどこにあったのかもまだ結論が出ていないそうですが、こちらの漫画では九州が舞台になっています。
 (最近、日本史家の磯田道史さんは読売新聞で「邪馬台国畿内説」について語っておられ、それを否定されていなかったので、畿内説も有望なのかもしれません)
 山岸先生(この方の作品が好きなのでつい「先生」と言いたくなる)は、分かっている史実(卑弥呼と狗奴国が対立していたなど)と自身の想像力を最大限にミックスさせ、この作品を描かれたのだと思います。
 山岸凉子というと「日出処の天子」か「テレプシコーラ」が代表作なんだろうと思いますが、読み返してこの「青青の時代」も名作だなあと思いました。
 「萌え要素」がないからイマイチ有名じゃないような気がしますが、、、すごい内容です。

 邪馬台国の王位継承にまつわる凄まじい政争がテーマで、硬派すぎて以前読んでもよく分からなかったのですが(出版されてすぐくらいの時期に読んだ、15年前なのでまだ20代ですかね。その後も何度か読んでいますが難しくて頭にちゃんと入らなかったのです)、今回読み直して、女性でよくここまで人間を描けるなと思って本当に驚きました。
 「萌え要素」にまったく逃げずに(だからたぶん一般的にはウケないんだろうなあ。。)、人間の欲望の凄まじさを描いておられる。。。(「四の王子」の人物造形のすごさ! 影の主人公はこの人だと思う! 山岸先生はこの人のことを描きたかったのだろうなと思ってしまう! フローベールの「ボヴァリー夫人」のオメーのように!)
    
   

 加えて、超常現象とか、人間が体験する不思議についても描かれています。
 山岸先生はご自身にも霊感があるそうですし、霊などにまつわる恐ろしい話もいくつも描かれていますが、この作品で、そのような「人知を越えた超常現象」に対する一つの見解を、主人公に述べさせています。
 (「白眼子」という作品にも似たことを登場人物の霊能者に言わせています。なので山岸先生の哲学というか、そういう現象に対する「結論」とも言えるものなのだと思います)
 それは、わたしにとっては、同感と思う部分と、わたしはそうは思わない、という部分とあります。
 それでも、きっといろいろな霊的な体験をし、そのような作品をたくさん作ってきた方が、ご自分の意見をきっちりとこのような作品の中に込めて、しかも漫画作品として立派に昇華させていることそのものに感動し、多少の意見の違いなどどうでもいい、と思わせてもらえます。
 なんていうんだろう、、、きちっと責任を取る人に対しては、意見の違いなどは、どうでもいいと思えるというか。。
 
 こんなにすごい作品だったのかあと思いました。
 理解するまでに時間がかかってしまいました。

 作品の長さとしては「中編」と言えるものだと思いますが、コンパクトにいろいろなテーマをまとめられる力がすごいなと思います。
 漫画という表現だからこそ成立している作品だなとも思えました(小説でも映像でもここまでは描けないのではないか。作家個人で責任を取れる範囲でやろうとすると、この「漫画」という形態が一番なのかなと思いました)。

 「青青の時代」というのは、日本がまだ青かった頃という意味だそうです。
 タイトルもすげー! 
 

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