極上な体験 樫本大進 コンスタンチン・リフシッツ デュオリサイタル 所沢ミューズ 2016

 所沢ミューズの中庭↓
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 所沢ミューズというのは小平市のうちからわりと近所で、とてもよいホールです。
 大ホール、中ホール、小ホールとあります。
 世界の至宝と言われるピアニストのクリスチャン・ツィメルマンさんも来日されると、たいていこちらの大ホールで演奏されるようです。
 つまり、音響が優れているホールです。
 わりと近場にこういうところがあって幸せ。

 おととい、大好きなピアニストのコンスタンチン・リフシッツさんと、ベルリンフィルのコンサートマスターである樫本大進さんのデュオリサイタルがあったので久しぶりにミューズに行きました。
 末期ガン闘病中の義母のことがあるのでずっと様子見していて、、当日券で滑り込み!
 彼らはもっと評価されるべき人々なんだろうと思うけど、今回は当日券があることがありがたかったです。 
 このデュオのコンサートは3回目になります。
 やっぱり素晴らしかった。
 お二人の2013年1月の演奏の動画です。

 この動画から3年、わたしが前回聴いたときから2年経っていますが、さらにパワーアップされていた!
 特に、、樫本さん!

 昨日のプログラムです。


  ☆ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2
  ☆ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100
  ☆プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品80
   <アンコール>
  ☆J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタBWV.109 異稿より カンタービレ・マ・ウン・ポコ・アダージョ

 
 前半のベートーヴェンとブラームスも素晴らしかったのですが、後半のプロコフィエフが!
 初めてちゃんと聴いたんですけど、プロコフィエフの音楽! 
 かっこいい!
 
 わたしはクラシック音楽に詳しいわけではないので、やはり古典的な音楽のほうが分かりやすいから聴きやすいと思ってしまいます。
 前衛的な現代音楽(といってもプロコフィエフは20世紀前半のロシア人ですが)は、調性やリズムが古典的形式から離れていて曲想を掴むのが難しいなと思うのですが、このプロコフィエフ、、大丈夫だった!(それは「かっこいい音楽」だった。ロックみたい! 壊そうとしてるんだもの、精神はロックだよね!)
 きっとうまい人が弾くからなんだろうなと思います。
 そうじゃない人が弾くと難解さが目立って、聴いていてしらけると思うのですが、、お二人の演奏は熱くて激しくて、でも底では冷静で(きちんと分析できている?)、試して試して火花を散らして破綻せず、とにかく「かっこいい」という言葉しか浮かばない(今まであまりそういうこと思わなかったのに(笑))。
 もっとプロコフィエフを聴きたいと思えてしまった! すごいことだ!
 
 リフシッツさんは相変わらずのキレキレっぷりですが、樫本さんもキレッキレ!
 ベルリンフィルで最年少でのコンマス就任、しかもアジア人ということで優等生のイメージだったのに、、ちょっと他に言い方が見つからないので書いてしまいますが、色気が出てきたなあという感じでしょうか。偉そうですが。
 とても美しい音色でヴァイオリンを弾かれる方ですが、プロコフィエフでは美しいだけじゃない、ザクザクした音も出していた、しかもそれが、ザクザクしているけれど美しい音ってどういうことだろう!
 
 わたしは弦楽器は全然弾けないし分からないけれど、、ヴァイオリンってこんな音がするんだな、ということを教えて下さったのは樫本さんと言っていいかもしれません。
 この樫本さんの音っていうのがどういうことかと言うと、、丸くてまろやかで、、どんな強音でも丸くてまろやかなんです、、ヒステリックな音なんてさせないよ。。。その「音」は、「馥郁とした」という表現とか「甘露のよう」と言いたくなる、耳以外の感覚で表現したくなる音なのです。

 もちろんリフシッツさんのピアノの音も素晴らしいのであります(現代屈指のバッハ弾きで、天才と言われている人です)。
 そのお二人が丁々発止で、、ほんとに身体の底から満足できる音楽会でありました。
 すごくおいしいものを食べたときと同じ感覚になります。
 すごくいい香りの花園を歩いたあとのような感覚になります。
 「極上の体験」ということかなあと思います(それは「鑑賞」ではなくて、「体験」なのです)。

 お二人のコンサートは、今週、北海道と大阪と横浜であるようです。
 チケットあるかなあ、、お近くの方はぜひ聴かれてみるといかがでしょう。 
 そして、21日の日曜日には、リフシッツさんのソロリサイタルが再び所沢であります。
 義母のことで緊急事態がなければ、こちらにも行こうと思っています。

 ミューズの中庭から見た月のある空↓
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 帰り道の街灯と空↓
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