「愛の人」の音楽を聴く / 横山幸雄1hourコンサート リストとショパン ルネ小平

 いつだったかの空↓
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 おとといくらいかな。。左の雲がうさぎみたい。

 ゆうべは、再び地元ホールのルネ小平であった、横山幸雄さんのピアノリサイタルに行ってきました。当日券で。
 去年から続いている、ショパンと他の作曲家を比較して演奏してくださる「1hourコンサート」の第五夜です。
 傷もだいぶよくなっているので、行こうと思いました(行けてよかった。。でもまだあまり人ごみの多いところに行く気にはなりません、、インフルエンザも流行っているし。だけどたぶん、ちょっとした旅行に行けるくらいには傷自体はよくなっていると思います)。

 先月、入院直前に横山幸雄さんの演奏を聴いて、いたく感動しましたが、ゆうべも素晴らしかったです。
 やはりよいものに触れると心が満たされますね。そして、それは身体にもよい影響があるのではないかと思ってしまいます。
 ありがたや。。

 ***

 ゆうべの感想を書く前に、先月の横山さんの演奏会がわたしにもたらした影響について書かせて下さい。

 入院の直前だったじゃないですか。それで、最後のアンコールに、自分が練習して大好きだった(でもあのときまで、この曲の存在を忘れていた)ショパンのノクターンの8番を聴いたじゃないですか。
 自分がもう全然弾けなくなっていると分かったから、入院のとき、その楽譜を持っていったんです(笑)。
 ベッドの上で、ときどき広げて、頭の中でシミュレーションしていました。
 それをいつしたかというと、少し気持ちが落ちそうになったときでした。
 小説などを読む気にもならなくて、ネットをする気にもならなくて、「最後に残っていた娯楽」である(テレビは見なかったので)、その楽譜を開きました。
 「ああそうだった、ああそうだった」と思いながら、ノクターンの8番を頭の中でなぞりました(指を少しぱたぱたさせながら。シミュレーションでも、音程を忘れているし間違えるしスムースになんてできませんでした)。
 最後の音まで行ったとき、ほっと心が軽くなりました。そして身体も軽くなったように思います。
 実際に弾かなくても、そういう「効果」があるんだな、と思いました。
 退院してきて、実家に泊まって、翌日の朝、実家のピアノに向かいました。
 久しぶりに弾く、本物のピアノです(ヤマハのアップライトUX、昭和50年製、調律師さんたちからご高評いただけるものです)。
 何年も弾いていなかったし、調律していていないからところどころひどく音も狂っていたけれど(想定しているのと違う音が出るから間違ったのかなと思うことアリ)、まずノクターンの8番を弾きました(傷が痛いかなと思ったけれど、ゆっくりな曲なのでどうにか弾けました)。
 それはやはり、ひどいものでした。
 でも、指に伝わる木の振動が、身体の中に染み込んで、それは気持ちよかったです。
 たまにはピアノを弾かないといけないな、と思いました。
 でも自宅に戻ると電子ピアノで、、弾く気にならないんだよなあ。。

 先月の演奏会でアンコールがあのノクターンでなければ、わたしは楽譜を入院生活のお供にしなかったと思うんです。
 あれがあるとないとでは、その生活は違ったものになったかもしれないなと思ったりもします。
 わたしは、これからもそういう小さな「命拾い」のようなことを重ねながら、生きていきたいなと思ったりもしました。
 大げさでしょうか。

 わたしが持っていった楽譜はこれです。ノクターン8番も2番も入っているし、スケルツォ2番もあるし、バラード1番、3番、子守唄、別れの曲、雨だれ、葬送行進曲、幻想即興曲と、とにかく内容が盛りだくさんでお得な楽譜です。30年以上使っているものです。
 

 ***

 前置きが長くなってしまいすみません。

 昨日の演奏会は、因縁の!(笑)「ショパンVSリスト」でありました。
 いえ、別に対決ではないんだろうけれど。。。
 もう乱れ飛ぶ超絶技巧!! という感じで、、すごかったです。

 昨日のプログラムです。

 
 ☆ショパン:エチュード集 Op.10
       Op.10-1 ハ長調
       Op.10-2 イ短調
       Op.10-3 ホ長調「別れの曲」
       Op.10-4 嬰ハ短調
       Op.10-5 変ト長調「黒鍵」
       Op.10-6 変ホ短調
       Op.10-7 ハ長調
       Op.10-8 ヘ長調
       Op.10-9 ヘ短調
       Op.10-10 変イ長調
       Op.10-11 変ホ長調
       Op.10-12 ハ短調「革命」
 ☆リスト:超絶技巧練習曲より
       第1番 ハ長調「前奏曲」
       第2番 イ短調、第4番 二短調「マゼッパ」
       第10番 ヘ短調
       第12番 変ロ短調「雪あらし」
       パガニーニ大練習曲 第3曲 嬰ト短調「ラ・カンパネラ」
  (アンコール)
 ☆リスト:3つの演奏会用練習曲より「ため息」


 こんな風にエラそうにブログにショパンについてなどの記事を書きながら、恥ずかしい話、わたし、ショパンのエチュード(練習曲)をちゃんと通して聴いたことがなかったです(10番も25番も)。
 有名な曲は知っていますが、知らない曲もありました。
 ピアノを弾く練習のための曲集なので、技巧的で、わたしはかろうじて「別れの曲」を、、中間部ラストをゆっくりめで(ダメじゃん(笑))弾けるかもしれないかも、、、くらいですが、どの曲もすごいなあと思いました。
 横山幸雄さんによると、このショパンのエチュード集も、弾くのは大変だ、とのことでした。
 このエチュード集第10番は、ショパンからリストに献呈されています。
 同時代に活躍した年齢の近い二人、意識しあうものが相当あったようなのですが、なんでも軽々と弾きこなすリストに「どうだい?(お手並み拝見)」という意味で渡したのではないかって感じらしいです(笑。やっぱショパンってちょっとイヤミだわー)。超絶技巧の持ち主のリストも、やはりこの練習曲集には手こずったという話が残っているそう。

 わたし、この二人のこういう話がけっこう好きです(笑)。
 先月も書いたけれど、ショパンはリストのことあまり快く思っていなかったらしいとか(ブラームスとクララ・シューマンもリストの派手さが苦手)、それでもリストはきっとかまわずショパンの曲を演奏会で取り上げたんだろうってこととか、おもしろいなって思うんです。
 リストという人はちょっと魅力的だなと思うんです。あまり細かいことにこだわらない人かもしれず、ショパンとは対極的なのではないか、とよく言われますよね。弟子が何百人もいるとか(声をかけられればすぐに弟子と認めたとか(笑))。
 なんかリストって、芸術家同士のライバル心みたいなものに、あまり暗い情熱を注がなかったんじゃないかなって気がします。その後大作曲家となったワーグナーとの関わりもおもしろいです。
 以前読んだリストの伝記が素晴らしくて、わたしはリストも好きです(全然弾けないけど)。これは、本として素晴らしい本でした。「愛の人」っていうのがぴったりかも。。
 
 
 ショパンからそのような「挑戦」を受けたリストですが、そのリストが創った「超絶技巧練習曲」は、、全部はじめて聴くものでしたが、、とにかくほんとにすごかったです。
 横山幸雄さんは2011年以来で、この練習曲群の中からのいくつかを演奏されたそうです。
 リクエストは多いのですが、「ひとえに大変だから」、弾いてこなかったそうです(横山幸雄さんでも「大変」なのか、と、意外に思ったりもした。。軽々と弾いているように思えるのですもの。。)。
 なのに、、小平では弾いて下さったのです。
 小平くんだりで、、小平なのに、、、小平のくせに、、、申し訳ない、、という感じでしょうか(マナーの悪い人もいるしなあ)。
 ほんとに、この今回の「ショパンと有名作曲家」のシリーズは素晴らしいですよね。。ルネ小平の企画して下さった方にも感謝しなくては。。。。。。
 
 わたしは、リストの難曲については、「メフィストワルツ」など聴いたことはありましたが、ちょっと難しすぎて、途中からついていけなくなるんですね。
 わたし、たぶん、素人のわりには、耳はいいほうなんだと自負しているのですが、リストの難曲って、途中から音を追えなくなって、音の塊をぶつけられているような気分になることが多かったんです。
 それはつまり、音数がすごく多いからなんです。リストの難曲って。
 昨日の超絶技巧練習曲も、すごい音数で、、でも聴いているうちに、これこそがリストの挑戦だったんだな、と思いました。
 10本の指で、どこまでたくさんの音を出せるのか。
 それを、とにかく追求した人なのではないか、と思い至りました。
 ピアノというのは音が横に並んだ楽器で、人間の手と指の構造に合わせて創られた楽器で、それで、どこまで分厚い音が出せるかの追求。
 一人の人間がどこまで多くの音を出せるか(確かに、「10音」よりも遥かにたくさんの音が鳴っているように聴こえる)。
 オーケストラにも負けないレベルにできるのか。
 できてるよ、フランツ。
 そう言いたいものでありました。

 ショパンの曲は、そういうことよりも、音楽的美しさとか、シンプルな構造の中に複雑な思いをどう込めるか、というようなことが追求されているようにも思うのですが、それとは全然違うアプローチでリストは作曲していたのかな、と思いました。
 それは、単純に「ピアノという楽器」と向き合うということだったのかな、と。それと、人間の手と指か。
 自分の気持ち(自意識)がどうこう、というのは二の次の人だったのかもしれません。
 「愛の人」ということか。
 魅力的です。

 でも、ショパンの個人的感情が反映された音楽もすてきです。それに救われることも多々あります。
 
 一口に「音楽」といっても、本当にいろいろとありますね。
 
 ***
 
 昨日のプログラムの中で印象が強かった曲のYouTubeを貼りますね。
 ショパンのエチュード10の6番。
 「アンニュイ」ってこのためにあるのかなっていう感じ(「雨のパリ」って感じ? 行ったことないけど)。たぶん映画とかなにかで聴いたことはあったかもしれなくて、ああ、これもショパンだったんだ、と思いました。

 ほんとにハンパなくアンニュイなので、、情感を込め過ぎの演奏だとわたしは聴いていられないかもしれません。底なし沼に思えるんです。この動画の奏者はポリーニさんらしくて大丈夫だった。。(いくつか聴いてみた中で、一小節でダメだった演奏もあった。。若手の個性派の人。。)

 昨日のアンコールで弾いてくださった、リストの「ため息」。演奏は東欧の女性ピアニストさんです。 

 これもたぶん映画とかで聴いたことがあった曲。リストだったんだ。。
 すごく暖かくて優しい曲で、、19歳のときはじめて行った海外である、台湾で見た景色を思い出して泣きそうになりました。台湾のね、中部、映画「冬冬の夏休み」のロケ地のあたりの、あの景色、、もう25年も経っていて、変わってしまったんだろうな。。。
 「愛の夢 第三番」とかより、この曲好きかもしれない。。
 あ、そういえば書き忘れてた! 横山幸雄さんの「ラ・カンパネラ」は、とても「可憐」でした!(ラストは迫力すごいけど、そこまでとの差が激しくて、、、それも驚いて感動しました!)


 ☆タロット占いのセッションを、しばらくお休みとさせていただきます☆
  *乳ガン治療のため、ちょっと体調の様子見をさせていただきます*
   対面セッションで、場所は新宿の喫茶店です。
   30分/2000円です。
   詳しくは こちら をご参照下さい。
    kitaminori@tbt.t-com.ne.jp










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テーマ : クラシック - ジャンル : 音楽