再びの意訳 ニック・ケイヴ The Good Son

 拾いもの写真↓
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 日曜日にブログでドイツのヒトラーの映画についてご紹介しましたが、その中で映画「ベルリン・天使の詩」の名前を出しました。
 それははじめて観た高校3年生の秋から20代の前半まで、何度も繰り返し観た映画で、この映画の「天使の視点」が好きでした。
 それによって、チャネリングへと自分が開かれた部分もあったと思います。
 
 その映画の中に、オーストラリア出身の歌手、ニック・ケイヴが印象的に出てきます。
 わたしは映画の影響もあり、この歌手のことも好きになりました。
 その人の創る歌は、わたしの内面に大きな影響を残していると思います。そしてそれが自分の一部のようになってしまったと思います。
 人生で若い頃の重要な時期に、聴き込んでしまいました。

 彼は歌はうまくはありません。美声でもありません。
 この人は本当は、歌手というより、神父なのだと思います。
 教会で「この世界を見てみろ、悔い改めろ」と言う代わりに、ニックは歌手になったのだと思います。
 子供の頃は神童と言われていたそうです。
 トランスに入ってしまうような、そんな音楽であるとも思います。
 危険な音楽だと言われるとも思います。とくに日本では。 
 若い頃、オーストラリア人の知り合いがいましたが、彼はニックを「バカみたいなやつ」と言ったので、白人でも嫌う人はたくさんいるのだろうと思います。
 ですが、ニック・ケイヴは、イギリスの音楽雑誌「Q」によって、一応、世界の偉大な歌手100人のうちの82位くらいに選ばれる人ではあるのです(今回調べてそれをはじめて知ったけれど、わたしは嬉しかった。そのランキングページは→ こちら )。
 
 おとといブログに「ベルリン・天使の詩」のことを書いてから、頭の中にニック・ケイヴの歌が次々流れるようになりました。
 最近は聴いていなかったのですが、改めて聴いてみました。
 やはり、身体に染み込むなにかがあり、自分はこの人の世界観に抵抗できないなと思いました。
 仕方ないです、若くて一番吸収力があったときに、めちゃくちゃに吸い込んでしまったのだから。。
  
 この人の曲で好きな曲はたくさんありますが、以前、ジオシティーズでやっていた「ローズガーデン」というサイトに歌詞の意訳を載せた歌が、やはりすごく好きで、その歌をご紹介します。
 以前意訳したものは、意訳をやり過ぎでひどくて、恥ずかしくなったので削除しています。
 今回、改めてその歌詞を訳してみました。
 わたしがそれをするのは、そうすると、その音楽のエッセンスが自分に根付くように思えるからです。
 ピアノを弾くのもそうですが、ただ聴いているだけより、そうやって作品に関わるとより「分かる」ような気がするのです。

 やはりすごい曲だなと思うので、それを載せようと思います。

 家族の問題を寓話的に描いた歌です。


  Nick Cave The Good Son

  また男が一人去る
  また男が一人去る
  また男が一人
  また男が一人去る
  また男が一人去る
  また男が一人
  去っていく

  孝行息子は畑の中を進む
  彼は農夫だ その手は野良仕事に荒れている
  彼の心の底には奇妙な計画が横たわる
  彼の兄に 彼の家族に 背いて
  しかしまだ 彼は兄を敬っている
  しかしまだ 彼は母を敬っている
  ただ問題は父親 彼の言い方では「不公平な男」
  孝行息子
  孝行息子
  孝行息子

  その孝行息子はよく座り込んでは涙を流していた
  凶星の影響から逃れようともせずに
  夜 彼を包む漆黒の闇が
  善良な言葉と邪悪な言葉を彼に語りかける
  そして彼は 母を呼ぶ
  そして彼は 父を呼ぶ
  しかし兄の怠惰が影となり 両親の耳にそれが届かない
  孝行息子 
  孝行息子
  孝行息子

  そして彼は 母親を呪う
  そして彼は 父親を呪う
  そして彼は自分に備わる美徳さえ
  まるで不浄のものであるかのように 呪う
  孝行息子 
  孝行息子
  孝行息子

  また一人男が去る
  また一人男が去る
  また一人男が
  また一人男が去る
  また一人男が去る
  また一人男が


 

 これは「悪い歌」なのだと思います。
 人の心、人の世の中で、あまり追求してはいけないことを歌ってしまっている歌なのだと思います。
 でも、わたしはこの歌を聴くと泣けてしまってしょうがないのです。
 人間のどうしようもなさを、描いてくれていると思うのです。
 現実の世の中に、こういう家族は、多くいると思うのです。

 今回歌詞を訳していて分かりました。以前には分からなかったことです。
 わたしはずっと、これは孝行息子が生まれた家を捨てる歌なのだと思っていました。
 でも、違うのかもしれません。
 彼が、自分の善い心を捨てる、そういう歌なのかもしれません。
 善い心を保持しようとすることから、去るのかもしれません。
 それはすなわち、「善良な世界」から去るということです。

 また一人。

 わたしは、この歌を否定できないのです。

 
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