興福寺中金堂再建記念 運慶展 東京国立博物館

 東京国立博物館の前庭の白い萩と空↓
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 昨日は夫と上野に「運慶展」を観に行ってきました!
 やっとです!
 実は、、10月前半に一度トライをしていたんですよ、、でも、、、、、夫が途中の高田馬場で食べたランチのグリーンカレーが辛すぎてお腹に来てしまい、、断念したということがありました。。。
 でも、この「運慶展」は、奈良 興福寺さんの中金堂再建記念特別展でもあるので、先週、先に奈良でお参りさせていただいてから行くという順番で、よかったのかなあと思いました。

 なぜ、興福寺さんの中金堂再建記念で運慶展なのか、ということですが、鎌倉時代に仏教彫刻に革命を起こした運慶は、お坊さんでもあったからです。若い頃には興福寺にいらっしゃったそうです。
 仏師康慶の息子で、1180年に平家・平重衡が奈良(南都)を焼き討ちにした後の興福寺や東大寺の復興にも加わりました。鎌倉幕府が成立する頃には関東にも関わりを持って、北条家から仏像制作を依頼されたりもします。
 と、これらのことは、興福寺さんの文化講座で教えていただいていることなのであります!(笑) 
 運慶のことで講座で強く言われていたことは、運慶は僧侶であったということだと思います。 
 彫刻家(芸術家)である前に、「僧侶」なんですよね。
 そこを取り違えてはいけない、ということを多川俊映貫首から教わりました。
 
 そのことを示すかのように、展示の前半に、運慶が発願し写経させたという法華経の「運慶願経」というものがありました。
 とってもきれいな書の巻物で、、最後に、運慶をはじめ、快慶など仏師たちの名前が記されていました。
 このお経、結縁者は一行書かれるたびに3度礼拝したそうです。
 そういう、熱心なお坊さんである人が、仏師運慶なのでありました。

 そしてこの「運慶展」の講座で教えていただいたことをもう一つ、それは、10月21日から29日までが展示が一番多く充実しているということであります!(展示替えのタイミングの都合だそうです。29日までは、奈良 長岳寺の阿弥陀如来様と両脇侍が観られます。その後は勢至菩薩様だけになります)
 運慶展、観てみたい方は、29日までが狙い目であります!
 でも、31日から瑞林寺の地蔵菩薩坐像がいらっしゃるから、それからでも遅くないと思います!
 「運慶展」の公式サイトは → こちら
 
 展示構成は
  第一章 運慶を生んだ系譜 康慶から運慶へ
  第二章 運慶の彫刻 その独創性
  第三章 運慶風の展開 運慶の息子と周辺の仏師

 となっていて、とても分かりやすく観やすかったです。
 このように運慶の現存する仏像をこんなにたくさん一度に観られる機会はもうないだろう、という感じだそうです。それは、「興福寺中金堂再建記念」ということがあるからこそ、各地のお寺さんが大事な運慶の仏像を貸してくださったからなのだそうです。
 こんなチャンスはなかなかないので、ぜひ!!

 と、ぜひに、と思うのです。
 ですが、今回、つくづくと思ったのです。
 わたしは、仏像は、お堂の中で観たい、観たいというより、お参りをしたい。
 博物館の「展示」として観る、美術品として鑑賞する、という感覚がしっくり来ない気がしました。
 「展示」だと、後ろから観たりできて、貴重な機会だとは思うのですが。。。

 ***
 
 以下、わたしが感銘を受けたものの絵はがきの写真です(図録を買うべきなのですが、、タロットから緊縮財政の指示が出ているので、絵はがきになりました! ごめんなさい!)。
 
 とにかくお会いしたかった↓
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 無著(むじゃく)菩薩立像。運慶作、1212年頃。

 無著様の弟の世親(せしん)菩薩立像、運慶作、1212年頃↓
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 遠くから無著様のお姿を観たとき、胸が高鳴り(ほんとに)、緊張し、泣きそうになりました。
 興福寺さんでは北円堂におられますが、開扉時期が限られているのでそうそうお会いできません。
 
 目の前に行くことができました。
 
 周りに人がいなかったら、泣いてしまっただろうなと思います。

 無著菩薩様こそ、兜率天にのぼって弥勒菩薩様から「唯識」という教義を授かった方なのです。
 5世紀頃のインド北部(パキスタン?)に実在した方で、仏教の瑜伽行(ゆがぎょう)派に属していらっしゃいました。瑜伽というのはヨガという意味で、瞑想などをして心を鎮めて悟りに近づこうとする派です(だから文化講座でも瑜伽の時間が設けられています)。
 その教えを、「唯識三十頌」という経典にまとめたのが、弟の世親菩薩様です。
 「唯識三十頌」はその後漢訳され、その注釈の「成唯識論」を天竺から戻った玄奘三蔵法師と弟子の慈恩大師が漢訳し、それが法相宗となり、奈良に伝わりました。興福寺は法相宗のお寺です。
 なので、この世親菩薩様と無著菩薩様、そして弥勒菩薩様は法相宗にとって特別な方なのです。
 
 世親菩薩立像は教えを後世に残そうとするかのように意志の強そうな目を上に向けていて、無著菩薩立像は「唯、識のみがある」ということを噛みしめるように内省的な目を下に向けていらっしゃいました。
 無著様の静かだけど強いような目を観ていると、見透かされるような感じがして、、自分を恥じるような思いがしました。だけど、ずっとその視界の中にいたいと思える目でした(「玉眼」という水晶で目を作る技法が使われています)。
 なんという仏像! 生きているみたいだ!(半分生きているのではないかとさえ思う!)

 いつか、北円堂にお参りするとの気持ちを新たにしました!

 無著様と世親様をあんな風に創るのだから、運慶はやはりお坊さんなのだと思いました。
 その心がないと無理っていうか。。。 

 あと、大好きなこの子たち↓
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 天灯鬼!(なんつーアングルの写真だ!)

 龍灯鬼!(そしてこの画角、大正解だ!)↓
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 (こちらは康弁作、天灯鬼は正確な作者は分かっていないそう)

 おばかみたいなお顔して、東京まで来たのね! ぐふふふふ!

 そして、ぜひ観てみたいと思っていたものがあった↓
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 高山寺の創始者・明恵上人が愛した犬の像。
 運慶の息子か弟子が創ったそうです。すごいかわいいんですよ! 
 ネットで画像を見ていて、どんななんだろうなあって思っていたので、観られて嬉しかったです!

 阿弥陀如来様とかの絵はがき写真がなくてすみません(緊縮財政なもので。。)。
 南円堂の四天王像や、静岡の願成就院の毘沙門天など、身体の動きの迫力の素晴らしかったです!
 夫とも、やはり運慶の仏像は他と違うね、と話しました。
 
 こんな風にたくさんの運慶作品を見られるのは、やはり今だけなのだと思います。つまり、100年単位の機会なのかも。
 来月、もう一度行けたら行きたいと思っています。

 
 *おまけ*
 常設展示の部屋を覗いたら、気になる五重塔発見↓
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 驚くべきことに、わたしの出身地の東村山市で出土した「瓦塔(がとう)」というものなのだそうです。テラコッタの五重塔です。 
 これ、しかも、わたしの大好きな多摩湖の近くで出たのです(東村山市北部に下宅部遺跡というのがあって、縄文土器も見つかっています。すぐ近くに八国山があって、水が湧いている土地なんだと思います)。
 奈良時代のものだとか。
 ああ、ちゃんとこの「僻地」にも、その頃から仏教が伝わってきていたんだなと思えて嬉しかったです。
 武蔵国分寺もそう遠くはないし、不思議ではないんですけれど、いきなり「東村山市多摩湖町」と出てきて驚きました!

 *おまけ2*
 東京国立博物館本館の階段の美しい天井↓
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