マリアノ・コーン/ガストン・ドゥプラット監督 笑う故郷

 最近のいつだったかの夕空↓
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 富士山のシルエットがきれいだから、少しアップにしてみました。
 山腹まで雪が覆ってきたそうですね。冬に向かっていますね。

 昨日は岩波ホールに映画を観にいきました。
 マリアノ・コーン/ガストン・ドゥプラット監督・脚本の「笑う故郷」です。2016年のアルゼンチン=スペイン映画です。去年のヴェネチア国際映画祭で主演男優賞を受賞しています。
 こちら、岩波ホールでは今日までの上映で、ギリギリの鑑賞となりました。
 もっと早く観て、ブログに書けばよかったかなあ。。

 ノーベル文学賞を獲った作家が、40年戻らなかった故郷に凱旋し、人間模様の渦中となる、という話です。
 作家は、戻らなかった故郷を舞台にした小説を書き続けていました。

 「書く」ことで、他者を傷つけることがある、ということを意識したことがある人には、観てみると身につまされる作品だろうと思います。
 
 予告編です。

 
 以下、感想を書きますがネタバレ的な部分もあるので、この映画に興味を覚えて観てみたいと思われる方は、読まないほうがよいかもです。

 とにかく、怖い映画でした。

 予告編とチラシを観ていて、ハートウォーミングな方向に着地するのかと思ったら、全然そうじゃなかったです。

 人間の嫉妬の恐ろしさ(そしてそれを知っても「書く」人の恐ろしさ)。
 「世間知らずの田舎の人たち」の恐ろしさ。
 そのことが、これでもか、というくらいに描かれていました。
 すごく怖かったです。
 もしかすると、成功したこの映画の監督たちが経験したなにかがベースにあるのかなとも思いました。 

 「世界的な成功」を収めた人に対する、故郷の人々の冷たさ、身勝手さ。
 観ていて、聖書の中のキリストが故郷ナザレに戻ったときのエピソードを思い出しました。
 そのときには奇跡を起こし、神について語ることで名を馳せはじめていたキリストでしたが、故郷に戻ると子供の頃のイエスを知る人々は「大工の息子のくせに」と言って聴く耳をもたなかったという話です。
 イエスは「預言者は自分の郷里では歓迎されない」と残念がる、というものです。
 そのことを思いながら観ていました。
 (あと、アメリカのロックバンド、ジャーニーのボーカルのアーネル・ピネダのことも思い出した(笑)。フィリピン出身でジャーニーに迎えられた人ですが、フィリピンに「凱旋」するとひどい仕事もさせられるんだなと思う動画を観たことがあるので。。)
 怖くて肝が冷える思いがしました。。

 わたしが大好きな映画監督のアンジェイ・ワイダは、子供の頃父親に連れられて行った美術館で素晴らしい絵画に出会います。
 それを観て、自分には絶対に到達できない境地があるのだと、衝撃を受けたのだそうです。
 つまりそれは、世の中には圧倒的にすごいものがあり、そしてそれを創る人がいるという事実です。
 「田舎の人」というのは、そのことを知らない人たちなのだと思います。知らないし、それを認めたくないという人々です(たぶん、「どこ」に住んでいるかは、関係ない。でも相対的に、文化施設や遺跡の少ない「ただの田舎」の人にはそういう傾向があるのかもしれない?)。
 そのことを、あまりにも辛辣に描いている映画でした。
 怖い映画でした。

 しかし、すごいのは岩波ホール(笑)。
 ここのところ3本立て続けに上映作品を観ましたが(「残像」、「静かなる情熱 エミリー・ディキンスン」、「笑う故郷」)、どれも素晴らしく怖かったです(笑)。
 たまたまでしょうけれど、3本とも、芸術や表現を真摯に追求しようとしている人たちのお話でした。
 バンザイ、岩波ホール!!

 
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