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クリスティアン・クレーネス監督他 「ゲッベルスと私」

 以前撮っていて貼っていなかった写真↓
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 昨日、神保町の岩波ホールで上映中の映画「ゲッベルスと私」を観に行きました。
 2016年のオーストリア映画で、監督はクリスティアン・クレーネス他3人というドキュメンタリーです。
 第二次大戦中にナチスの宣伝大臣ゲッベルスの秘書をしており、撮影当時103歳だったブルンヒルデ・ポムゼルさんのインタビューと、世界初公開のものも含めた当時の資料映像を盛り込んだ映画でした。
 予告編を貼ります。


 岩波ホールで上映される映画はとても硬派なものが多く、観ようと思っていてもすぐに行動できずに上演終了間際に観てブログに感想を書くということが多かったのですが、今回の映画は本当にシャレにならないほど硬派で、それが観る前から本当に分かっていたので、上演期間にまだ余裕のあるうちに行くことにしたのでした。
 早めに感想を書くべきだろうと思ったからです。
 でも、感想を書くのもきつい映画でした。
 それもなんとなく予想していたけれど。。

 これから書く感想はネタバレになるかもしれませんが、この映画は、途中挟まれる資料映像にもものすごく意義があり、それをセットにしないと「観た」ことにはならないと思えるものなので(観た人にしか分からないものがそこにある)、思うままに感想を書かせていただこうと思います。

 ***
 
 わたしは10代の頃から戦争の映画をよく観ていて、何度も書いていますが、ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督を心から尊敬しています。
 去年、乳ガンの初期治療が終わってぽっかりしてしまったとき、30歳の頃に自分自身が体験した「前世の記憶とするのが合理的に思えるものの体験」と、その克服のことを書きましたが、その「前世(と思えるもの)」があるためか、わたしはその時代に対してものすごく思い入れがあるのだと思います(「わたしがジョルジュと名付けた男性とわたしのこと」というタイトルで書きました → こちら )。
 今の時代、日本で暮らしているとたくさんの国の様々な映画を観ることができるので、わたしはあの頃なにがあったのか、勉強することができています。
 「ゲッベルスと私」は、第二次世界大戦の頃のヨーロッパについて多少の予備知識がないと、観るのは困難な映画かなと思いました。なので、万人受けは全然しない映画だと思います(以前観ていた「ヒトラー最期の12日間」という映画がかなり参考になりました)。
 でもこれは、「保護主義」が目立ちはじめた今の時代に公開されるべき映画の一つなのだろうな、と思いました。
 昨日は午後4時からの回を観たのですが、その時間帯にしては席が埋まっていたかな。。

  予告編を見てもお分かりいただけると思いますが、ポムゼルさんはお顔のしわが深くてすごいのですが、それ以外はとても103歳とは思えない、なにか「張り」のようなものがある女性でした。頭もとてもしっかりしていらっしゃいます。
 子供時代の記憶から、戦前のこと、ゲッベルスの下で働いていたときのと、戦争中のこと、終戦の頃のこと、戦後のことが語られました。
 ポムゼルさん自身も、戦後は収容所に5年ほどいたそうで、生涯独身を貫いたそうです。
 
 その人曰く、昔のドイツでは親の権威がすごくて子供は暴力で支配されるので、自分たちの世代は「服従すること」が自然だったということです。
 子供は暴力で支配するほうが簡単だし、今の時代のように「愛」で育てられたということはなかったとおっしゃっておられました。
 そういう育てられ方をすると、子供の頃にすでに、親の目をごまかしたり、ずるをしたり嘘をつくことを覚えるとおっしゃいます。
 今の人たちのような教育を受けたかったとおっしゃいます。
 若い頃に政治に興味はなかったけれど、ボーイフレンドに連れられて政治家の演説を聞くことがあったそうで、そのつてで最終的にゲッベルスの元で働くようになったようです(お給料のよさにもつられたとのことです。かなりもらえたらしい)。
 でもそれまでは、ユダヤ人の元で働いていたし、ユダヤ人の友人もいたそうです。
 自分は浅はかでものごとを深く考える質ではなかった。けれど、その性質によって人生救われてきた面もあるとおっしゃっていました(個人的にはここにグッとくるものがあった)。
 ゲッベルスの元で働きはじめた頃は、洗練されたエリート集団を間近に見られることの喜びがあったともおっしゃっていて(ゲッベルスはオシャレさんだったらしい)、ポムゼルさんにもその洗練が身に付いているようにも思えました。
 
 ポムゼルさんはタイピングの仕事をしていたとおっしゃいます。
 どんな内容のタイピングをしたかについてはあまり語っておられません。
 そして、「わたしは強制収容所の中でなにが起こっていたか知らなかった。だからわたしには罪はない」とおっしゃいます(ドイツ国民みなに罪があると言うのなら、ある、とも)。

 「知らなかった」ということについて、彼女が本当のことを言っているのか、嘘を言っているのか、わたしには分かりませんでした。
 知り得た立場にはいらっしゃった方だとは思うんです。文書をタイピングするのですから。
 仮にそうであったとしても、どうすることもできなかった。
 できるわけないですよね、若い女性の一秘書が、あの時代、ドイツで。。。。
 だから、わたしにはポムゼルさんを責めようという気持ちは起こりようもありません。

 差し挟まれた資料映像の中には、かなりショッキングなものもありました。やせ細ったユダヤ人たちの遺体の数々。
 戦後、アメリカによって、ドイツの市民たちは、強制収容所でなにがあったのかを見させられ、収容所に放置されていた遺体を埋葬するという仕事もさせられたようですが、その映像もありました。
 「匂いが伝わらないだけ、この映像を観ている人たちはマシだ」というナレーションが入っていました。

 ***

 「知らなかったから罪にならない」というのは、そうだろうなと思います。

 では、知っていてもなにもしなかったら、それは罪なのでしょうか。

 思うに、、、わたしたちはかなりいろいろなことを知っていると思うのです。
 世界の政治のことでもそうだし、、地球の環境破壊などのことも、わりと知っています。
 日本においては、ネットがあれば、いろいろなことを調べられます。自主的に調べるかどうかはおいておいて、調べられる環境は、今のところ、とりあえず、整っています。図書館に行けば、娯楽作品だけではないいろいろな本があります。そんな環境はあります。今のところ、この日本では。

 でも、だから、わたしなどは、いろいろなことを知ってしまってかえって無力感を感じてしまっています。いろいろなことがあり過ぎて、圧倒されます。どこからなにをしていいのか分からないです。
 
 こんなことを書いてはいけないのだろうと思います。
 でも、「知らなかった」と言える昔の人を少しうらやましいとも思います。
 ポムゼルさんが、今のひとたちのような教育を受けたかったと言うように?

 「罪がある」ということを知っている、ことくらいしかできないのかも?

 英語の格言「Curiosity killed the cat(好奇心は猫を殺す)」も知っていますが、それはこういうことにも当てはまるのでしょうか。
 
 本当に、難しいですね。


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